azukisora1974

映写室

憧憬と思慕は両立するのか――黒羊の葡萄亭(ブラックシープ・イン)にて

「甘酸っぱいわね――私もそんな時期がありました、と言いたいわね」「そのスプモーニのように、ほろ苦いのかしら」夜霧と涼やかな夜風が心地よくも感じる、ここ黒羊の葡萄亭(ブラックシープ・イン)のカウンター席に、女性二人――ソフィア・ウェーバーと、...
休憩室

どうでもいい感じの日記:2026.8.2

僕にとってのパンドーラーの匣の底にあったもの誰にでも、自分の中に見たくないものがあるのだと思います。気づきたくないもの。認めたくないもの。名前を与えてしまえば、もう見なかったことにはできないもの。プロメテウスが天上から火を盗み、人類へ与えた...
休憩室

どうでもいい感じの日記:2026.8.1

音声を初めてお届けしました本当は自分の声がすごく嫌いで、「何故他の人のような声じゃないんだろう」と悩むこともあります。容姿も嫌いで、あまり自分の写真というものを残すことはしません。ある意味、美醜に対して、極度に自信が無いか、恐怖しているのか...
格納庫

鳴るはずのない機械が、音楽を奏でた日――格納庫No.007:ノイズと記憶、そして巨大な楽器

ゲームセンターの筐体に跨がり、疾走する「――レオ。珍しいものがあるじゃないか」「兄ちゃん、さすが目ざといなあ」霧の森域《シルヴァ・ネブラエ》。その自然保護区の奥深くに建つ山荘――《ザ・ガレージ》。この場所の主は、餌にまんまと釣られた哀れな鯉...
映写室

《沈黙の壁、攪乱の林檎》

アイガイオン・タワー中層吹き抜け。本来ならば企業広報映像しか流れない空間に、その夜だけ、別の声が満ちた。IONAの歌だった。予告も申請もない。けれどその旋律は、空調のわずかなうなり、エレベーターシャフトの共鳴、来訪者端末のスピーカー、無数の...
休憩室

どうでもいい感じの日記:2026.7.28

福祉関係で事務をすることになって、今まで気づくことの無かった学びを得ることが多々あります。今回も、自分にとっては苦い失敗ではありましたが、そこからより深い学びを得られることが出来ました。今日は、そんなお話をさせてください。システムエンジニア...
休憩室

どうでもいい感じの日記:2026.7.27

今回、故・鳥山明先生と永井豪先生が、ウィル・アイズナー・コミック・インダストリー・アワードの殿堂入りを果たされた、ということを記念し、急遽記事にさせていただいたものとなります。どうぞよろしければご笑納くださいませ。アイズナー賞は、北米のコミ...
図書館

静域(Sanctuary)No.007―2:スーパーロボットというエポックメイキング――「鉄の城」マジンガーZ――人は、神にも悪魔にもなれる

序章――遅ればせながら「お待たせ――って、今日、何か打ち合わせあったっけ?」聞き慣れた少年の声とともに、《霧の砂糖(シュクル・ド・ブリュム)》の扉が開いた。レオ・ケレスは、いつもの工具類を詰め込んだ肩掛け鞄を提げ、こちらを見て怪訝そうに眉を...
図書館

静域(Sanctuary)No.007―1:スーパーロボットというエポックメイキング――「鉄の城」マジンガーZ――人は、神にも悪魔にもなれる

序章――空を飛ぶ拳を見た日とばせ、鉄拳、ロケットパンチ!いまだ、出すんだ、ブレストファイヤー!――ご存じ、スーパーロボットという言葉をこの世に定着させた金字塔、『マジンガーZ』。その代名詞ともいうべき必殺武器が、ロケットパンチである。文字ど...
映写室

Contact-001-2:IONA――診断編

「ミス・クララ――僕は異常なのでしょうか?」突然な僕の問いに、彼女はさして驚きもせずに、僕――あずきとそらの突拍子のない話を聞いている。クララ・ハルモニアに私は、2つの異常体験を伝えていた。ミス・クララのクリニック、アポケーは私の熱のある言...