問題が語られないことで利益を得る者、またはその構造。
誰かが被害、苦痛、不当な負担について声を上げず、拒否せず、記録せずにいることで、費用、地位、評判、利便性、自己正当化を守られている者。
沈黙利得者は、必ずしも犠牲を直接命じるわけではない。
ただ、その沈黙によって維持される秩序を利用し続ける。
「何も言われなかった」は、何も起きていなかったことを意味しない。
発言できる安全がなければ、沈黙は同意ではない。
沈黙利得を見抜くために問うべきことは、誰が命令したかだけではない。
誰が黙っているのか。
なぜ黙らざるを得ないのか。
その沈黙によって、誰が変わらずに済んでいるのか。
そして、この概念を最も短く表すなら、
沈黙は中立ではない。
誰かの沈黙が、誰かの利益を守っている。
となるでしょう。
「美名による収奪」が犠牲を美しい意味へ書き換える作用なら、「沈黙利得者」は、その書き換えに異議が出ないことで利益を得る存在です。
つまり両者は、
美名によって犠牲が語れなくなり、
語られないことで利益が固定される。
という、一つの構造の前半と後半なのだと考えます。
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