夜の業界に勤めていたときの話
夜の業界の女性と接する機会が、多少なりともあったのですが、いわゆる第一線級の女性ともなると、言葉一つの使い方、身のこなし、効果的なアピール、ゲストに触れる指先に至るまで、計算され尽くしている。
――というか、それが自然に振る舞えてしまう。
存在自体に華がある女性というのは本当にいるわけでして、僕も何度もゲストとして同席する機会があった際には、
危険だ、この人。
と、のぼせ上がる前に、警告サインが脳内を駆け巡ったものです。
――嘘のつき方も実に上手い。
一夜の戯れであったとしても。
以来、人が見せている顔を、そのまま全部だとは思わなくなった。
自分を完全に見せないように心がけています。
そういうNostalgiaとしての『エリス・ヴェイン』

例えば、このエリス・ヴェインという女性。
その刹那の言葉に、嘘偽りはないのです。
ですが、その言葉をどう捉えるのか、という『受け手の解釈』にバッファを持たせているんだと思うんです。
――私はこう言った。でも、その意味はあなた次第。
あの頃の経験が、少しでも反映されてるのかな、とも思えたりします。

――厄介な女性です。
この文章のそばに、灯りを。
名前も言葉もいりません。もう一度押すと取り消せます。


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